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不動産査定と公的土地評価

不動産を選ぶ、ということを基本にしているのだとは思いますが、不動産鑑定業の登録制度、不動産鑑定士等の資格制度などを規定した「不動産の鑑定評価に関する法律」(昭和38年7月16日 法律第152号)を中核とする不動産鑑定評価制度、そして、土地の適正な価格に関する情報を社会一般に提供する仕組みである地価公示制度を規定した「地価公示法」(昭和44年6月23日 法律第49号)です。そのころの立法主旨では、地価高騰の原因として、需給両面の要因、土地特有の性格によって生した地価を合理的に選ぶということの困難さがあり、特に適正に不動産査定された地価に関する情報不足が地価の合理的な形成を妨げていました。

固定資産税評価は、3年に一度、評価をしなおすことになっています。平成3年1月に閣議決定された土地政策推進要綱では、「速やかに、地価公示価格の一定割合を目標に、その均衡化・適正化を推進する」とされ、平成6年度評価替えから、固定資産税宅地における7割評価の方針が選ばれました。具体的には、平成4年1月の自治事務次官依命通達の一部改正において、地価公示価格、都道府県地価調査価格及び不動産鑑定士等による鑑定評価価格の一定割合を目安とし、「当分の間この割合を7割程度とする」ことが決まりました。その後、固定資産評価基準の一部改正です。

不動産を選ぶための不動産査定のほかにも不動産査定が必要というほかのニーズがあります。それはたとえば、公的土地評価以外にも、法令によって不動産査定の評価が用いられる場合があるのです。具体的には商法においてですが、不動産を現物出資するような場合には、その不動産査定の価額は不動産鑑定士等の鑑定評価に基づいて決定するものとされ、また、抵当証券法では抵当証券を発行する場合には担保の十分性を証明する手段として不動産鑑定評価書が用いられるのです。また他には、不動産査定評価は世の中のさまざまなニーズに対応しているといえます。不動産の選び方にはこれ以上のニーズが存在するということです。ここにそれらのニーズの一例を紹介します。

詳細な面から選ぶための不動産査定評価を定義するとします。普通に市場に出回っている一般の商品の価格が自由なプライス・メカニズムの下で決定されているのとは違って、不動産というものは非常に個別性が強いといえ、取引市場も限定されているので、自由なプライス・メカニズムが成り立ちづらいといえます。不動産でも特に土地のまっとうな価格を選ぼうとすれば、合理的な市場の価格形成機能に代わって不動産の適正な査定価格を判定する作業が必要です。こういった意味でも、不動産の鑑定評価とは合理的な市場があったならばそこで形成されるであろう正常な市場価値を選ぶ価格を不動産鑑定士等が的確に把握することを中心とする作業であるといえるのです。


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